丹羽隆志の建物デザイン、グリーン建築へのとりくみ

ベトナム・建築家日記

ベトナム建設事情

ハノイの結露をどうにかする

投稿日:2013年11月28日 更新日:

 

ハノイの高湿度問題

紅河(ホン河)流域にひろがっているデルタ地帯にハノイ市はあります。

四季があり、年中湿度が高く、街中にある湖の多さとその湖面の高さに見られるように、地下水位が高いのが特徴です。この気候で、特に3月や9月ごろは霧が立ち込めたようになり、住宅は結露とかびに悩まされます。一階がセラミックタイルの家などは、水を撒いたような状況になります。

ベトナムの建物の作り方では、1階はコンクリートスラブがなく、土の上に捨てコンクリートを打ってセラミックタイル仕上げというのが一般的です。地面から毛細管現象であがってきた水分が蒸発したり、地下水が地面の熱をうばったりして、夏の暑い時期はひんやりしていい面もあります。しかし、霧雨が続く季節の変わり目には表面温度の低いタイル部分が顕著に結露します。以前住んでいたアパートは1階でタイル張りだったので、年中、除湿機をフル稼働させていました。

 

住宅での実践

昨年携わった、ハノイ築15年の住宅の改修では、この結露をいかにして防ぐか、がひとつの課題でした。改修前の一階のリビング・ダイニングは湿度が高く、カビだらけだったからです。

まず、床に使われていたセラミックタイルをはがし、捨てコンクリートを撤去して、土間をほりさげました。その後、防水コンクリートを基礎梁の間にうったのち、全面を断熱して地面からあがってくる水分をふせぎつつ地下水に熱が奪われないようにしました。蓄熱用のコンクリートをのせ、その上に空気を床下に流せるように通気層をもうけてから竹フローリングを設置するという工事を行いました。

竣工して10ヶ月ほど経ちますが、いまのところ、結露したという話はきいていません。この方法、うまくいったように思っています。

 

経験を共有するために

結露の問題に関しては、いろいろなウェブサイトを参考にしましたが、一番参考になったのがこのブログでした。

山男のつぶやき- 福田温熱空調 石川県白山市

北陸三県をまたにかけて活躍されている設備会社さんのブログで、寄寓にも僕の出身市である白山市(松任市)の会社からの発信でした。

以前友人に「ハノイと金沢の天気は似ていますね」、といわれたことがあります。曇った日の多さがそう思わせるのかもしれません。ですので結露の問題や日照の少ない場所での過ごし方など、設計に原体験がいきてきているかもしれません。ただ、石川県ではカビの問題はハノイほどではありません。ハノイに来て驚いたことのひとつです。

この設備士の方の使っているケストレル4200という携帯型ポケット風速計・気象計が使いやすそうでよさそうと思っていて、日本に帰国した際に、手にいれたいと思っています。風速、温度、相対湿度だけでなく、空調機の状況を把握するための混合比も測ることができます。ヒートストレス指数や露点温度が測れるのもよさそうです。

ハノイでの湿度・結露は本当に問題で、快適な室内環境を作っていくのには絶対に考えなくてはならないことです。高気密化、空調化などのエネルギーに依存したやり方にたよらずとも効果的な解法を見つけていくために、数値で環境を把握する必要があると思っています。経験を数値として具体化していけば、スタッフとの共有も可能になり、ハノイに適した住宅の作り方のモデルに一歩近づきます。

ハノイの文化、街の佇まい、食事が好きという人が多い一方で、厳しい気候のせいで、ハノイに居つくことのできない人が、外国人だけでなくベトナム人にも多いように感じます。そのもっとも大きな問題が住環境の悪さ。多くの人が快適に過ごせる方法を求めています。

 

参考リンク

山男のつぶやき- 福田温熱空調 石川県白山市

ポケット気象計 Kestrel 4200(Nielsen-Kellerman社)

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